・冗談

・青木



冗談



冗談に

つぼの中に入って

しゃがむ



どんどん沈んでいく

立ち上がれば

簡単に出られるのに

立ち上がれない

えっ?

あせりながら

どんどん沈んでいく

底がぬけたわけでもないのに

わたしのひざまでぐらいの浅い壷なのに

どんどんどんどん沈んでいって

見上げても

もう何も見えない

まだまだ沈んでいく

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青木



晴れた空を見上げていたら

白鳥が

青い涙を降らせながら飛んでいく

それを浴びながら

わたしは

青木という名前だった記憶が

すうーっと走った

あおき

あおき

遠い所から

大勢の声に呼ばれながら

わたしが

青く染まっていく

あおき

あおき

その頃わたしは

青く枝を茂らせた木だったのだろうか

白鳥は

だんだん小さくなって見えなくなる

わたしは青く染まったままなにに

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「冗談」 2013.7.7 / 「青木」 2013.7.8