すてきな私になる場所
午後の音楽の時間
時計の針がきゅうに
おかしなまわり方をしたと思ったら
教科書から
おんぶがひとつ舞い下りた
わたしもぐらりとゆれて
時間からずり落ちた
おんぷとわたしと
教室の窓からころがり出た
きっと今ごろ
先生のひくピアノの音が
ひとつ ぬけているだろう
合唱の声がわたしの分たりないことに
だれか気づいたかな
わたしだけの場所
すてきなわたしになれる場所
だけど…
ひとつたりないピアノの音が
すこしさみしい合唱の声が
困っているように
心配しているように
もちろんおこってるように
遠くでしている
かすかに鐘が鳴り出した
はっきり鐘が鳴っている
時計の針も
おんぷもわたしも
ちゃんと自分の席にいる
先生がこっちを見ていたけど
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木村信子/ 学研 話のびっくり箱 中学年3‐4(上) 2004年