Welocome to Poet Nobuko Kimura's Page

詩人・木村信子の特異な輝きをもつ"やさしくこわい歌"──。
木村信子の現代詩・少年少女の詩・エッセイ等作品の発表・紹介をしております。

Nobuko Kimura
Who was born in 1936, has created a unique poetic world solidly anchored in both dream and reality. As she once put it, for her “a dream is not just a set of images but an actual experience.” In her signature pieces the sense of absurdity reminiscent of Ionesco achieves a strong sense of realism and rationality.

 


帰郷/たいざんぼく/こぼれる音/もう帰れないのに

空家/引きずっていく/天使

「現代詩2015年」に最近の作品を更新しました。

 

空き家

米をといでいると
うしろから かぶさるようにはりついて
わたしの肩の上から長い手を出して
といでやるよという
いろりにいる女に
こいつを追い払ってよ! はやく! といっても
父はおれにはできないといって出ていった
うしろの手はだんだんのびてくる
弟もわたしがなにも言わないうちに
こそこそ父のあとをついてでていってしまった
うしろの長い手がだんだんのびてくる
しょうがないので
大きくもがいてふりはらったら
ひっくり返った拍子にへびになって
ずるずる ずるずる 家の中をはいまわっている
父をよんでも
弟をよんでも
もうだあれもいない
ずるずる ずるずる はいまわる音だけの中で
わたしは米をといでいる

2015年 6月20日更新


 

 

 

 

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